2012年3月26日月曜日

「長命寺」桜餅 - かわをむくか、むかないか

こんにちわ。ステラマリスです。

3月も終わりだというのに、今日は肌寒いです。
桜の蕾も今か今かと、スタンバってるような気はしますけど、もう少しの辛抱ですね。

ーということで今回は、向島「長命寺」の桜餅のお話。
画像 * 向島『長命寺』
下町っ子なら誰でも知ってるという向島の有名な、『長命寺の桜もち』
墨田河畔の向島にあるこの茶屋は、江戸時代から300年も続く桜餅発祥のお店です。

江東区内でないのでちょっと反則ですが、せっかくのこの季節ですから、やっぱり触れずにはいられません。なんてったって今のような庶民のお花見の風習は、徳川8代目将軍・吉宗の時代に始まったといわれていますしー

そう、暴れん坊将軍の、あの、吉宗さま!
マツケンサンバの、あの、吉宗さま!!

幸福関係の方になら、今、一、二を争うタイムリーな、あの方の前世ですね^^。


お店の看板娘? 新六さんの孫娘の豊さん
とかく「享保の改革」というと、緊縮増税のイメージが強いですが、施策のひとつとして、新田開発や地場産業の育成、環境の整備などがしっかり入っております。

お江戸の各所にも大々的に桜が植樹され、庶民に開放。東京にいくつも由緒ある桜の名所があるのは、吉宗の都市政策の一環だったんですね。

吉宗の時代は元禄バブルがはじけて、幕府の金庫は真っ赤っか、人々の心もあれ荒んで自分だけ良ければいいという風潮がまかり通っていた時代とか。
丁度今の時代とも似ています。

そこで桜の植樹を通して吉宗がやろうとしたのは、そんな民衆の心の赤字もなんとか黒字に変えて、ひとびとに優しさとか思いやりとかで満たしたかったそうです。


それまで花を愛でるという風流なたしなみは、公家や将軍さまなど、高貴な身分の方々だけの専権事項。咲き誇る桜の季節に、どれだけひとびとは潤いを取り戻し、心癒されたことかと想像すると、嬉しくなってきますね。

さて一方、隅田川河畔の桜並木に楽しそうに賑わう人々に、落ちた桜の葉を見つめて ”あっ!” と閃いたのが長命寺の門番だった、初代山本新六さん。

桜の葉を塩漬けにして、その香りを餅に移す法を発案して生まれたお菓子が、桜餅の始まりとされてるようです。(お店のHPより)

小さな茶屋ですから、お花見時期はさすがに混むようですが、ぶらりと森下〜両国辺りから川沿いに足を伸ばして、昔ながらの茶屋でお煎茶をいただきながら桜餅ってのも、風流ですよ。
桜が満開だと尚更、グッド。しかし、人混みは覚悟。心をうんと春と桜の香りで満たし、心の黒字化をはかってきましょう。

関東*長命寺
ところで桜餅って、関西と関東では違うってこと、ご存知ですよね?

俗に言う,西の『道明寺』に東の『長命寺』の闘いって、(笑)
私の故郷は、長明寺派なので、つい最近まで道明寺が桜餅の類いとは知りませんでした。

使うお粉も、あんこ、桜葉の巻き方も双方、それぞれ工夫が凝らしてあるようです。
『長命寺』の方は、小麦粉を薄く溶いて焼いたものでアンコを包む、、って、やだ、コレッってクレープそのものじゃありませんか!?

関西* 道明寺
そうか!なるほど!

だから、あの歯ごたえ、あのもちもち感!
和製の餡子クレープが、「長命寺」ってことなんですね〜!
もんじゃ屋さんで食べる、餡子巻き、ってのも同じ理屈か!

それにしても、うどんやお蕎麦、きつねとたぬきに始まり、全国普及シェアで、東西の文化対立ってのも実に面白い。
お土地柄って、そこに住む人々の意気込みや知恵、暮らしぶりが目に浮かぶようで楽しいです。

ーで桜餅の桜の葉は、食べるか食べないか、むくかむかないか、、っての答えが、これまた粋。
是非とも、

「(墨田)かわは、向いて食べてくださいな」

お後がよろしいようで♪

『 長命寺』 
ご案内
〒131-0033
東京都墨田区向島5-1-14
03-3622-3266


8:30~18:00
毎月曜が定休日

▶ 参考記事*江戸の桜と吉宗の改革



2 件のコメント:

rainbow さんのコメント...

江東支部に、関東・関西2種類の桜餅を差し入れて下さった方がおりました。
夜いらした方(関西人)に、関東の桜餅が一つ残っていたので、お茶と一緒に出しましたら…。
「これは、なんですか?」と不思議そうに、珍しそうに眺めておられました。「桜餅ですよ~」と言うと、「え~っ!これ桜餅ですか??関西のと全然違う…」と驚かれていました(^^)まるで未知との遭遇の様に食べておられましたよ。ちなみに、葉っぱごと食べる派です。あの桜の香りと塩味がたまらないです。

ステラマリス さんのコメント...

お気持ちわかるわ〜!
私だって、桜餅と言われて道明寺がでてきたら「違うじゃん!」と思ってしまうもの。
葉っぱ、おいしいですよね。
私、柏餅の葉っぱも食べたくなっちゃいます。